誠実であること、ユーザーを見ること。それが私の軸です。
Published on 2026年9月3日
キャリアこの記事について
現在自分は、メディア業界向けにプロダクトを提供している会社で働いている。そこでは、インタビューを行うプロダクトと、記事を生成するプロダクトをシームレスに繋ぎ、インタビュー後すぐに記事化できるAIサービスを社内向けに開発・提供している。
今回、自分自身がそのサービスを使って社内インタビューを受け、生成されたのが以下の記事だ。会社名やサービスの詳細は伏せるが、「インタビューからほぼノータイムで記事ができる」というプロダクトの体験を、自分自身が題材になって試してみた記録として、ほぼそのまま載せておきたい。
誠実であること、ユーザーを見ること。それが私の軸です。
「誠実であれば、まず自分自身として誇れる状態にある」――そう話すのは、プロダクト開発エンジニアの平山寛人です。2026年3月に入社し、現在は定常スプリントでの新規開発や保守運用、QAテスト基盤体制の構築など、プロダクト開発の中核を担っています。
柔道、ヒューマンビートボックス、国家公務員、そしてWebエンジニア。一見、脈絡がないようにも見えるキャリアの歩みは、「誠実さ」と「本質を見極めること」という二つの軸によって、一本の線でつながっています。
柔道とビートボックスが教えてくれた「誠実さ」の意味
私が大切にしている価値観は、まず誠実であること、そして物事の本質を見極めることです。
誠実さについての原体験は、幼い頃から10年ほど続けた柔道にあります。武士道の精神を通じて、日本人として、一人の人間として誇れる行動とは何かを問い続けてきました。指導者から厳しい言葉をいただくこともありましたが、その経験を通じて、誠実であることが自分を支える土台になると気づきました。
もう一つの経験が、ヒューマンビートボックスです。演者としてステージに立つ中で、演者同士のつながりや、オーディエンスとの世界観の共有を大切にしてきました。アーティストである以上、周囲からの信頼がなければ、どれほど技術があっても感情移入してもらえない。そのことを肌で感じていました。
実際、私の周りにいたアーティストの中には、人に不義理をしたことで、アーティストとしての輝きごと失ってしまった方も見てきました。その姿を目の当たりにしたことが、誠実さへのこだわりをさらに強めました。
「何のためにやっているのか」という問いが、キャリアを動かした
誠実さと並んでもう一つ、私が大切にしているのが「本質を見極めること」です。この価値観は、20歳から25歳まで従事した国家公務員としての仕事の経験から生まれました。
統計関係の機関統計調査に携わっていましたが、仕事を続ける中でどうしても「これは何のためにやっているのだろう」という疑問が頭を離れませんでした。自分の役割がどこにインパクトをもたらすのかが見えず、課題に対して近いところにいられていない、という感覚が積み重なっていきました。
25歳、26歳のタイミングで公務を辞め、Webエンジニアとして民間企業に転職したのは、そこから直接つながる選択です。より課題の近くで、ユーザーへの価値提供に携わりたかった。その一心でした。
今もプロダクト開発において、私は常にユーザーを見て意思決定するようにしています。機能を開発すること自体が価値だという議論は社内でもよくありますが、私はそうは思いません。ユーザーがどんな課題を抱えているか、どんな潜在的なインサイトを持っているかを追いかけ、そこへアプローチすることこそが、プロダクト提供のあるべき姿だと考えています。
答えを教えてくれないマネージャーのもとで、もがいた日々
転職してからの最初の1年半は、正直なところ、まだきれいごとを言っていた部分がありました。ユーザーへの価値提供と口では言いながら、Webエンジニアとしての技術からも逃げていたと思います。
そんな私を大きく変えてくれたのが、前職のマネージャーです。プロダクトへの深い思い入れを持ち、常にユーザーへの価値提供を主軸に議論を引っ張る方でした。社内の利害ではなく、ユーザーを見て課題解決方法を問い続ける姿勢、プロダクトのあるべき姿とその下にある組織構造や事業の視点――そういったものを、言葉ではなくヒントとして散りばめながら伝えてくれました。
そのマネージャーのもとで、プロダクトのリプレイスを担当することになりました。これが私のキャリアにおける最大の転機です。
最も頭を悩ませたのは、「このプロダクトは何のためにあるのか」という問いへの、自分なりの仮説を立てながら探索し続けることでした。同時に、当時の私にはシステム設計の知識がほとんどなく、ジュニアエンジニアたちと一緒に、将来のスケールを見据えた拡張性をどう担保するかを議論しなければならない場面が何度もありました。
毎週スプリントを回しながら、議論のたびに論点を整理し、必要な設計の概念をインプットし、アウトプットし続ける。その繰り返しの中で、少しずつ自分のあるべき姿が見えてきました。
「ユーザーを見て議論してください」――それが私の譲れないポリシーです
これまでの経験を経て、私が仕事において最も大切にしているポリシーは二つあります。
一つは、「ユーザーを見て議論すること」です。何が課題かはユーザーしか知りません。潜在的にもユーザーが保持している情報であり、社内で議論をいくら重ねても、それを超えることはできません。ここは絶対に譲れない部分です。
もう一つは、「人ではなく課題に向き合うこと」です。エンジニア的な言葉を借りれば、HRTを持って議論を深めるということ。誰かへの攻撃ではなく、本質的な課題に対して誠実に向き合う。その姿勢が、チームとして良い議論を生む基盤になると信じています。
「人となりを開示する」ことが、信頼のはじまり
ポリシーとしては課題に向き合うことを大切にしていますが、それだけでは人は近づきにくくなってしまうかもしれません。だからこそ、日頃から意識していることがあります。
自分が考えていることや気づいたことを、Slackのパブリックチャンネルで積極的につぶやくようにしています。オンラインミーティングでは、基本的にカメラをオンにして、表情が伝わるようにしています。
人は相手の感情や人となりが見えていないと、相談しにくくなったり、指摘しにくくなったりするものだと感じています。だからこそ、まず自分から情報を開示し、「話しかけやすい人」であることを意識するようにしています。
裏から、全員がユーザーを見られる文化をつくりたい
今後、私が目指したいのは、特定のポジションに就くことではありません。
ユーザーの課題を常に探索しながら、それを解決するプロダクトを提供できる体制と文化を、会社の中に醸成していくこと。私が見ているものを共有しながら、皆さんがユーザーを見て議論できるよう、裏からより良い議論に持っていけるような存在でありたいと思っています。
エンジニアの視点からプロダクトやユーザー価値について意見をお伝えすることもあると思いますが、もし違う見方があればぜひご指摘ください。私も皆さんを頼らせていただきながら、引き続きフィードバックをいただけると嬉しいです。
誠実であること、ユーザーを見ること。その軸を大切に、これからもここで働いていきたいと思っています。