ソフトウェアの複雑さと向き合うなぜ今、モデリングを再定義するのか
Published on 2026年1月12日
OOP0. はじめに
「コードを書く」作業自体のコストが AI によって下がり続けている今、エンジニアの本質的な価値はどこにあるのでしょうか。私は、その答えの一つが**「ビジネスロジックの構造化(モデリング)」**にあると考えています。
なぜ、歴史ある OOP(オブジェクト指向)の考え方に基づいたモデリングが、現代の開発においても重要なのか。その理由を整理します。
またこの記事は自身が考えているオブジェクト指向を用いたモデリングはなぜ行っているのかを言語化するためのものです。
ここでは自身が考えていることをAIに最終的にまとめてもらった記事となっております。
1. 歴史的背景
1960〜70 年代の構造化プログラミングの時代、プログラムの主流は「手続き」の羅列でした。当時はデータが中央に置かれ、それを多くの処理(関数)が共有して書き換えるスタイルでした。
しかし、システムが大規模化するにつれ、**「どこでデータが変更されたか把握できず、一箇所の修正が予期せぬ場所でバグを引き起こす」**という問題が顕在化しました。修正の影響範囲が予測不能になり、メンテナンスコストが指数関数的に増大したのです。
この課題を解決するために普及したのが OOP でした。データと、それを操作する「ビジネスロジック」を一つの「オブジェクト」にまとめ、**責任範囲を限定(カプセル化)**する。これは、人間が複雑なシステムを「意味のある単位」で管理し続けるための、合理的な選択でした。
2. モデルとは「ビジネスロジックの集約」である
よくある誤解は「モデル=データの入れ物」という認識です。しかし、モデリングの本質はビジネスルールを構造に落とし込むことにあります。
- モデリングが不十分な場合 「応募期限の判定」などのロジックがコードの至る所に散らばり、ルール変更のたびに広範囲の修正とテストが必要になります。
- 適切にモデリングされた場合 ビジネスルールはモデルの中に集約されます。例えば
application.isExpired()のように、そのモデル自身が「自分がどう振る舞うべきか」というロジックを持つことで、ルール変更時の修正箇所を最小限に特定できます。
このようにビジネスの意志を構造として定着させることで、コードは単なる命令の羅列から、ドメイン(ビジネス領域)を表現するドキュメントへと変わります。
3. 現代における恩恵AI 活用の基盤としての構造
この「構造化されたビジネスロジック(モデル)」は、現代の AI を活用した開発において非常に重要な役割を果たします。
AI は構文の生成には長けていますが、そのプロダクト固有の「何が正しいビジネスルールか」という文脈までは持ち合わせていません。人間が OOP の原則に基づき、モデルという形で「責任の境界線」を明確に定義しておくことで、AI はそれを**強力なコンテキスト(設計意図)**として読み取ります。
結果として、AI は人間が定義した「構造」に沿った、精度の高い実装を提案できるようになります。**「判断(構造設計)は人間、詳細(実装)は AI」**という役割分担が成立するのです。
結論:変更に強い構造を作る
プログラミングの歴史において、OOP は開発者を無秩序な複雑さから解放してきました。
私がモデリングにこだわるのは、それが単なる設計手法だからではなく、プロダクトの変更容易性を高め、長期的な開発速度を維持するための最も確実な投資だからです。
ビジネスの現在地と将来の展望を理解し、それを適切なモデルに落とし込む。この「構造化」のプロセスこそが、変化の激しい現代の開発において、エンジニアが提供できる本質的な価値だと確信しています。